あれこれ悩む者より、すぱっと決める方が能力的には高い。ただし、決断した内容が一定の水準以上であることが必要。つまり、間違ったことはいくら早く決めても誉められることはない。逆に、いい加減な奴というレッテルを貼られるだけだ。
それでは決断力をつけるにはどうすればいいか?問題を解決する方法は必ず複数ある。だから、その中からひとつを選ぶという認識を持つこと。いいものを選ぶより、駄目なものを捨てる、という認識を持つことだ。
駄目にする根拠はひとつあればいい。
賛成の根拠と比較してみて論破できるかどうかだ。ぼやっとしている人は多分正しい決断力はつかないだろう。
物事を全体的に眺めることを心がけること。大きな流れを認識する。会社の方向を感じる。世間の方向を知る。視野を大きく持てるかどうか。
井の中の蛙では決断力はつかない。相手の立場を考えることも重要だ。相手の反論が想定できなければ一人よがりになる。
実例
確かなことを決めるのではない。よく分からないことをじぶんの感性で決めることを決断という。私の最初の会社は鉄鋼メーカーでした。将来は鉄も構造不況と読んだ会社は脱鉄を目論んだ。そこで全社の各部門から選りすぐったプロジェクトでエレクトロ二クス参入を検討した。私がその8人のメンバーの一人でした。
プロジェクトのリーダーは東大冶金の出身のK専務。一言うるさい理論派の誉れ高いおっさん。我々の徹夜に近い案を説明したときのこと。
「おい! 君たち! このビジネス(セミカスタムICメーカーとの合弁事業)で最悪のケースでどうの、最高のケースでどうのと言っているが、どのケースを考えるか君たちが決めないでどうするんだ!」「君たちが何年で回収できるか具体的な提案をしないで、私に決断することを要請するのはおかしい。どれかひとつのケースを決めてくれ」だと。
我々一同---「−−−−−−−−−−−」声なし。シリコンサイクルが将来いつくるか、我々8人に決めろ、その後で決断するって???
所詮大会社(当時約3万人の従業員、売上1兆円超、今から20年近く前の専務レベルもこんなもの。東大のレッテルで食ってる寂しいやつ。腹が立ったので、結局、この事件の半年後私は外資の人事部長で転職した。
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